投資信託及び投資法人に関する法律(以下「投信法」という。)に基づき、本投資法人は従業員を持たず、本資産運用会社へ資産の運用を委託しています。
アクティビア・プロパティーズのコーポレート・ガバナンス
1.本投資法人の意思決定機関
本投資法人の機関は、投資主により構成される投資主総会に加えて、執行役員1名、監督役員2名、全ての役員を構成員とする役員会、及び会計監査人により構成されています。投資法人の仕組みの詳細については「投資法人の仕組み」をご覧ください。
投資主総会
役員会
執行役員:柏木信英
監督役員:有賀美典
監督役員:高松和彦
会計監査人
EY新日本有限責任監査法人
2.投資主総会
投信法や規則によって定められている本投資法人に関する一定事項は、投資主により構成される投資主総会にて決定されます。
3.執行役員及び監督役員
執行役員は本投資法人の業務を執行し、本投資法人を代表しております。また、監督役員は執行役員の職務の執行を監督しております。
▶ 任期・略歴
役員の任期は、規約において就任後2年としております。役員の略歴につきましては「役員について」をご覧ください。
▶ 選任基準
役員の選任にあたっては投信法等に定める欠格事由に該当しないこととし、投資主総会の決議により選任されます。
▶ 役員報酬
執行役員、監督役員の報酬の上限額はそれぞれ規約で定められており(執行役員:月額70万円、監督役員:月額50万円)、役員会で決定されております。実際の報酬額につきましては各期の資産運用報告書をご覧ください。
▶ 監督役員の独立性
監督役員は投信法の定めにより本資産運用会社又はその利害関係人等から独立した地位にあり、また必要に応じて本資産運用会社及び資産保管会社から本投資法人の業務及び財産の状況に関する報告を求め、又は必要な調査を行うことができるものとしています。
4.役員会
役員会では、本投資法人の運営及び本資産運用会社の業務執行状況等について報告が行われ、適切な運用がなされているか監督を行っております。規約上では少なくとも3か月に1回の開催が義務付けられておりますが、実際は月に1回は実施されております。
5.会計監査人
会計監査人は、本投資法人の計算書類等の監査を行う他、執行役員の職務に不正等を発見した場合は監督役員への報告が必要とされております。実際の報酬額につきましては各期の資産運用報告書をご覧ください。
東急不動産リート・マネジメントのコーポレート・ガバナンス
本資産運用会社では下図の組織体制のもと資産運用業務を行っており、本投資法人の資産運用はアクティビア運用本部が担っております。また、資産の運用に関する審議を行う機関として投資委員会、コンプライアンスに関する審議を行う機関として外部の専門家を含めたコンプライアンス委員会、取得検討物件に係る優先検討順位のプロセスの確認を行う機関として優先検討者決定会議を設置し、利益相反等が生じないよう堅実な組織体制を構築しています。
2021年4月には、サステナビリティ方針の推進機関であるサステナビリティ推進会議について、体制強化と取組内容の高度化を図ることを目的に、社内規程を新たに制定し、その位置づけを組織上明確化しました。また、これまで環境技術部で所管していたESGに関連する業務等について、新設されたサステナビリティ推進部に引き継ぎ、より積極的にサステナビリティへの取り組みを推進していきます。
1.意思決定の仕組み
本投資法人が投資対象資産の取得・売却または運用・管理に係る意思決定を行うには、本資産運用会社の投資委員会において、当該資産の取得の実行と取得価格の承認を含めた議案について、原則として、議決権を有する出席委員の全会一致による決議が必要とされるほか、法令遵守体制及び利害関係者取引における利益相反対策として、一定の場合には、投資委員会での決議に先立ち、本資産運用会社のコンプライアンス委員会における審議及び決議を行います。
2.コンプライアンス委員会
構成員 |
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決議事項 |
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審議方法 | 少なくともコンプライアンス部長及び全ての外部専門家を含む3分の2以上の委員が出席し、出席した委員の中、少なくともコンプライアンス部長及び全ての外部専門家を含む3分の2以上の委員の賛成を要した場合に承認された場合、投資委員会に議案として上程できるものとする。また、対象となる議案について特別の利害関係を有する委員は、決議に加わることができないものとします。委員は、オブザーバーをコンプライアンス委員会に同席させて、その意見又は説明を求めることができます。 |
3.投資委員会
構成員 |
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決議事項 |
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審議方法 | 投資委員会の決議は、原則として対象となる議案について議決権を有する全委員が出席し(但し、投資委員会において、取引の対象となる不動産等の価格の妥当性が問題とならない場合には、本件適格不動産鑑定士の出席を要さない。また、不動産等の価格の妥当性を検証する必要がある場合には、原則として本件適格不動産鑑定士の出席を要するものとしますが、本件適格不動産鑑定士が出席できない場合は、本件適格不動産鑑定士による意見書等の取得により本件適格不動産鑑定士の出席に代えることができ、審議及び決議に際しては、取得した意見書等の内容を尊重するものとする。)、出席した委員の議決権の全会一致の賛成により決せられる。 また、対象となる議案について特別の利害関係を有する委員は、決議に加わることができないものとする。なお、コンプライアンス部長は、審議経過に問題があると判断した場合には、投資委員会の審議の中断を指示することができる。委員は、オブザーバーを投資委員会に同席させて、その意見又は説明を求めることができる。 |
本資産運用会社のガバナンスに関する詳細は、本資産運用会社のG(ガバナンス)への取り組みをご覧ください。
投資主価値を最大化するためのガバナンス体制
本投資法人及び本資産運用会社は、東急不動産ホールディングスグループのバリューチェーンを活用する一方、利害関係者との取引における利益相反対策、投資主と東急不動産との利益の共同化手法や1口当たり分配金に連動する運用報酬を含む運用報酬体系を講じて、本投資法人の投資主価値の最大化に向けたガバナンス体制の整備・充実を図ります。
1.利益相反対策等の投資主の利益保護を目的とした資産取得に際する第三者性確保
「TRMのコーポレート・ガバナンス」に記載の通り、利害関係者からの資産の取得等に際しては、取得計画案について、原則として、投資委員会における審議および決議より前に、コンプライアンス委員会において出席委員中コンプライアンス部長および全ての外部の専門家を含む3分の2以上の委員の賛成による決議を行います。さらに投資委員会の外部専門家を含む出席委員の全会一致による決議後、本投資法人役員会における決議が必要とされます。
2.投資主の利益と東急不動産の利益との共同化手法
本投資法人は、投資主の利益と東急不動産の利益とを一致させ、本投資法人と東急不動産が協同して事業を行う体制を築き、本投資法人および東急不動産の相互の利益向上を図るため、東急不動産との間で以下の合意をしています。
東急不動産による本投資法人への出資
上場後 | 本投資法人の発行済投資口数の約10%を保有 |
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東急不動産は、スポンサーサポート契約において、本投資法人が発行する投資口に対して、以下のことを本資産運用会社に表明しています。
1. | 新規上場時に発行する新規投資口総数の10%程度を購入する意向があること |
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2. | 取得した投資口を、自ら又は関連会社を通じて5年間保有する意向があること |
3. | 新規上場後に投資口を追加で発行する場合には、追加発行投資口の一部の購入を真摯に検討する意向があること |
加えて、コロナ禍の市況下において、東急不動産は本投資法人の投資口の追加取得により、本投資法人をサポートいたしました。
一部物件のスポンサーとの共有について
東急不動産と物件を共有することによって、個別物件における東急不動産との利害関係を一致させた運営が可能になると考えています。
3.1口当たり分配金に連動する運用報酬を含む運用報酬体系
本投資法人は、規約および資産運用委託契約に基づいて、本資産運用会社に支払う報酬のうち、運用報酬の一部については、1口当たり分配金に連動した運用報酬体系を採用しています。これにより、本資産運用会社は、本投資法人の投資主価値を最大化することへのインセンティブを持つことが可能となります。
運用報酬 | ||
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報酬Ⅰ(年率) | 報酬Ⅱ | |
算定基準 採用料率 (注) |
前期末総資産額 × 0.25% |
運用報酬Ⅱ控除前一口当たり分配金 × NOI × 0.00021% |
但し、報酬Ⅰと報酬Ⅱの合計金額は当期末総資産額×0.5%を上限とする |
(注) | 運用報酬Ⅰの上限料率は0.3%と設定しています。 |
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取得・処分報酬 | |
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取得報酬の採用料率 | 処分報酬の採用料率 |
0.7% 利害関係人:0.5% |
0.5% 利害関係人:なし 但し、売却損発生の場合処分報酬は無し |
コンプライアンス・企業倫理
1.国連グローバル・コンパクトへの加盟
スポンサーグループであるTFHDでは国連グローバル・コンパクト(UNGC)に署名し、本資産運用会社も10原則を支持しています。
国連グローバル・コンパクト10原則
人権 |
原則1: 人権擁護の指示と尊重 原則2: 人権侵害への非加担 |
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労働 |
原則3: 結社の自由と団体交渉権の承認 原則4: 強制労働の排除 原則5: 児童労働の実効的な廃止 原則6: 雇用と職業の差別撤廃 |
環境 |
原則7: 環境問題の予防的アプローチ 原則8: 環境に対する責任のイニシアティブ 原則9: 環境にやさしい技術の開発と普及 |
腐敗防止 | 原則10: 強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み |
2.東急不動産ホールディングスグループ行動基準
スポンサーグループであるTFHDでは、コンプライアンス経営によるリスク管理の実践がグループの経営基盤であるという認識のもと、役職員一人ひとりが法令等の遵守はもとより、行動規範である「東急不動産ホールディングスグループ行動基準」に従って判断、行動するように啓発しています。本資産運用会社ではグループの一員として当行動基準を順守したコンプライアンス経営を実践します。
- 1.法令等遵守・公正な取引の徹底
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- 各種法令等の遵守の徹底
- 最適な調達活動と公正な取引の徹底
- 受託者責任に基づく忠実義務の徹底
- 反社会的勢力との関係遮断
- 2.お客様志向の徹底
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- お客様ニーズの把握と的確な商品企画
- お客様の声への誠実かつ迅速な対応
- お客様の安全・安心を第一とした商品・サービスの提供
- 商品・サービスの適切な説明・誠実な勧誘等
- 3.適切な業務執行の徹底
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- 「スピード」と「進化」を意識した責任ある業務遂行
- 「衆知結集」を旨とした組織風土の確立
- グループ総合力の発揮
- 適切な意思決定プロセスの確保
- 適切なルール管理
- 事業推進上の関係者との適切な折衝等
- 4.適切な情報管理等の徹底
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- 適切な文書・情報の管理と情報システムの運用
- 機密情報等の適切な管理と守秘義務の徹底
- インサイダー取引の禁止
- 適時・適切な情報開示と広報活動
- 適切な会計処理と財務報告に係る内部統制
- 5.良識ある行動の徹底
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- 会社財産の保護
- 健全・安全・快適な職場環境の確保
- 人権の尊重
- 社会への貢献と環境への配慮
- 節度ある接待・贈答等
- 公私の峻別
3.TRMにおけるコンプライアンス体制
本資産運用会社では、クオリティの高い不動産投資運用サービスの提供を通じ、すべてのステークホルダーから信任を得ることを通して、社会の発展に貢献するとともに、投資主価値の最大化を目指すことを経営理念としております。
法令遵守を徹底し、高い倫理観を持って行動することで、投資主の皆様から信頼を得、また投資主の立場に立った、透明性が高く分かりやすい情報開示を行うことにより、テナントの多様なニーズに応えるクオリティの高い不動産運用及び東急不動産ホールディングスグループのノウハウを結集したトータルマネジメントサービスの提供の実現を目指しています。
また、コンプライアンス経営を確実に実施し、企業価値の向上に努めるとともに、投資主をはじめとしてすべてのステークホルダーから信頼される企業を目指すため、役職員等(取締役、監査役、派遣社員等当社と雇用関係にない者も含みます。)全員が日常の業務活動の中で、社内規程である「コンプライアンス・マニュアル」を手引書として活用し、一人ひとりが当マニュアルに定める行動基準を順守することを求めます。
本資産運用会社ではコンプライアンスを、単に法令遵守に留まらず上述の経営理念に則り、以下に掲げるようなより広い概念でとらえて、それらを役職員等一人ひとりが意識を持って実践し、そのことによって企業の社会的責任を果たしていくこととしています。
- 法律及び規制等(監督指針、金融検査マニュアル等を含みます)を遵守する合法的行動
- 社内規程及びルール等を遵守するリスク管理的行動
- 企業理念に適った模範的行動
- 社会規範や高い倫理観に基づく理想的行動
取締役はコンプライアンスを、経営における最重要課題と認識し、コンプライアンスに係る基本的な方針及び社内規程等を整備し、コンプライアンスに関する経営環境の維持、向上に努める責任があります。主な役割は以下のとおりです。
- コンプライアンスに関する基本方針、社内規程等の策定及び決議
- コンプライアンス・プログラムに基づく活動を指揮
- コンプライアンス環境、内部統制制度の整備
また、監査役は、取締役の意思決定やその執行が適法、適正かつ有効に行われているかを監査する役割と責任があります。
従業員へのコンプライアンス・企業倫理研修
本資産運用会社は全従業員を対象として、コンプライアンスおよび職業倫理に関する幅広い内容の研修を実施しています。
<2021年度研修例>
- コンプライアンス研修
金融規制概論/利益相反取引管理(委託先管理を含む)/情報管理(個人情報、インサイダー取引規制等)/反社会的勢力との関係遮断(アンチ・マネーロンダリングを含む) - 新任者コンプライアンス研修
- インサイダー取引規制セミナー
- リスク管理研修(リスク管理態勢の高度化について)
- ハラスメント防止セミナー「アンコンシャスバイアス×アンガーマネジメント」
- 改正個人情報保護法×DX戦略
不正・腐敗防止
1.反社会的勢力との関係遮断
本資産運用会社は、本資産運用会社および本投資法人と反社会的勢力との関係を一切遮断し、経営の適正性を確保するとともに、役職員等や株主を含めたステークホルダーへの多大な被害を防止し、もって当社の社会的責任を果たすため、「反社会的勢力対応基準」で基本的な理念および具体的な対応を定めています。
2.マネー・ローンダリング等防止体制
本資産運用会社は、マネー・ローンダリング、テロ資金および大量破壊兵器の拡散に対する資金供与(以下「マネー・ローンダリング等」といいます。)防止の重要性を認識し、取引先の防止体制についても年次でヒアリングを行っています。
本投資法人および本資産運用会社、ならびに両社の顧客および取引先等が、マネー・ローンダリング等に関与すること、また巻き込まれることの防止に努め、金融システムの健全な維持・発展に寄与します。
3.内部通報制度
本資産運用会社は、ハラスメント・いじめ行為を受けたり見かけたりした場合も含め、コンプライアンスに関する通報や、判断に悩んだ場合の事前相談窓口として、すべての役職員がコンプラアンス部長、東急不動産法務部統括部長、東急不動産ホールディングスグループ法務部統括部長もしくは外部弁護士に直接通報できる「コンプライアンス・ヘルプライン窓口」を設置しております。また通報や相談を行ったことを理由として解雇もしくは不利益な取り扱いがなされることのないよう、通報者を保護する体制も構築しております。
リスク管理
1.リスク管理体制
本資産運用会社では、戦略目標を踏まえたリスク管理の基本方針を定め、適切なリスク管理を行うために「リスク管理規程」を制定し、リスク管理部門に営業部門との兼務を行わない役職員で構成されるコンプライアンス部、またこれを統括するリスク管理責任者にコンプライアンス部長を置き、外部の専門家の支援のもと、リスク管理体制の高度化を推進しています。リスク管理責任者は適切なリスク管理の実効について責任を負い、組織全体のリスク管理体制の体制を整備し、また管理体制の設計・管理および毎年策定するリスク管理方針について、代表取締役社長、取締役会等に対し直接に報告を行います。取締役はリスク管理の方針を定め、組織内で周知徹底します。
またリスク管理研修を実施することで、従業員のリスク管理能力向上に努めています。
2.情報セキュリティ
本資産運用会社は、当社が保有する情報資産の保護とその適正な利用を図るため、「情報セキュリティ管理基本規程」を制定し、当社の情報管理に関する責任を明確にするとともに、当社が実施する情報セキュリティ対策について基本的な事項を定めております。
本資産運用会社では、継続的にこれを実践することで、当社に資産運用業務を委託する投資法人をはじめとするステークホルダーからの信頼を確保し、もって当社が企業の社会的責任を果たすことに努めております。
また、当社の情報セキュリティに関する重大なリスクの発生又はその顕在化等を認識した場合に備え、情報セキュリティ管理統括責任者(情報セキュリティを所管する取締役)及び情報セキュリティ管理責任者(企画管理部長)、情報システム管理責任者(DX推進部長)、情報セキュリティ管理者(各本部長又は各部長)を置き、遅滞なく取締役会にその旨が報告される体制を整備しております。